9作目・IFS


IFSって?

何層にも積み重なった積層世界を舞台に、その名の通り『IFs(もしも)』を描く世界軍。もしも違う分岐を辿ったら、もしも世界が違ったら、もしもそんな世界があったなら……そんな妄想と理想の果てに生まれた万華鏡の世界。


たった一つの結末の違いから生まれた積層世界は、その果てをどこへ向かうのか……。この世界を眺める時、あなたはもしかすると「どこかで知っているような世界」や「そんな誰かに似ている人」を見つけるかもしれません。


全9つのタイトルから構成されるIFS世界を、どうぞ、最後までお楽しみください……

タイトル紹介


・殺人鬼の住まう街

・代理物語

・烏と狐

・モノ騙り

・箱庭世界

・鏡面世界

現在のIFSタイトルは以下の通りです。タイトル同士のふんわりとした繋がりは、見様によっては見えてきますが、それぞれが別個独立したものだと考えていただいて、基本的には大丈夫です。

 


殺人鬼の住まう街


とある国のとある街……もちろん、そうは言ってもこの街にだって正式な名前はあったはずだ。しかし、この街はもっと物騒な通称の方が聞き馴染みが深く、そんな小難しい正式名称だなんて、皆忘れてしまった。

 

ここは通称『殺人鬼の住まう街』。そんな物騒な名前にも関わらず、この街は異様な程に治安が良かった。……否、治安が良く見えた。

なぜなら、殺人鬼たちは街が“平静”に保たれていると見せかける術を知っているから……。

 

そんな世界で描かれる、殺人鬼たちの“普通”の暮らし。一般人に潜む鬼のそんな生活の物語。複雑に回帰する世界の中で、時計塔は未だ0時を指し示さない……

代理物語


世界の果てのすぐ近くで、平穏に暮らしている代理たちの物語。しかし、そんな平穏の瓦解は、案外近くまで迫っていて……。

 

ある日目を覚ましたそこは、何かの建物の中。天高くまで続く螺旋階段を上へ上へと上ってみても、その終わりにたどり着くことはなかった。

閉じ込められた5人の代理たちは頭を抱え、開くことの無い入口扉を開ける方法を探し始めるが……やがて、気づく。一日の終わりを示す鐘がなる時、この塔は同じ一日を繰り返し始める。目を覚まし、同じ会話をし、同じように階段を調べ、眠りにつく日々……。何かが、おかしい。

 

この時計塔から脱出するには、一体どうすれば良いのか。……否、抜け出す必要はあるのか?同じ毎日を繰り返す日々ならば、いっそここでも変わらないだろう。

 

目を覚まし、仕事をして、眠りにつく……そんな誰かの代わりを生きる毎日の繰り返しならば……。息をする日々の必要性を、代理たちは見つけることができるのだろうか。

烏と狐


積層世界の下から二番目。埋もれ埋もれた世界には、不思議なイキモノが息づいていた。

トランプを模し、人間を真似て生きる、スートで構成された不思議なイキモノ・CARD。所詮彼らはヒトではない。

 

けれど、確かに生きている。生き物では無いのに?ヒトではないのに?

それでも生きる理由に何があるのか。生きたいと思うその心は、所詮人間を真似た紛い物か……?

彼らの導いた結論の正しさを、一体誰が証明できよう。生きることに悩める、人外たちの物語……とくとご覧あれ。

 

・1周目→Good_bye DAYS; For the LOST STORIES

・2周目→For the beautiful world

・3周目→Hello DAYS; For the New world

・4周目→For the LAST STORIES

・5周目→タイトル未定

 

 

モノ騙り


ある日突然、世界から人間と呼ばれる種族が姿を消した。一体なぜ、どうして? そんな疑問符を置き去りに、残された世界は、忽然と消えた穴を補うかのように、新たに人の姿をした“モノ”を生み出し始めたらしい。

 

これは、人間の消えた世界で、人間の代わりとして生きる“モノ”の物語……否、モノ騙りだ。

箱庭世界


積層世界の下から二番目、烏と狐世界と同じ層の別の区域に存在する世界。彼らは、“物語”を閉じ込めた箱庭の世界で生きている。

その種族の名を、『史喰い』。紡がれた物語を、語られた歴史を食い破り、そして、食べたその物語や歴史を模した姿で生きる、一風変わった生物か否かも判断できないナニカ……。

 

何かを模してしか生きられず、生きることで自分以外の物語を損ねていく彼らは、それでも毅然と生を選ぶ。それはなぜか? ……だって、あまりにも全ては輝かしいから。そんな世界に憧れを抱くことを、一体誰が止められようか。

例え偽物だったとしても、例え模倣してしか生きられなかったとしても……それでも、この苛烈な世界を見てみたいから。

 

これは、そんな『史喰い』たちの生と死を追いかける物語。所詮生き物ではないからと、そう切り捨ててしまわないで……。

鏡面世界


鏡……それは、不気味でいて、時に神秘さを生み出す不思議な無機物。現在通用している一般的な常識では、あれらはただの光を屈折する物にしか過ぎない。……けれど、それはあくまで“こちら側”の認識だ。

 

鏡に映った“向こう側”の世界。それは酷く残酷で、歪んでいる。なぜなら、彼らは“こちら側”無しでは存在できず、また、所詮光の屈折によって生み出された虚像なのだから……。

 

……しかし、彼らだって紛れもなく生きていた。彼らだけの人生を。ただの虚像ではない、たった一つの物語を……。

もしかすると、あなたは彼らの姿に見覚えがあるかもしれない。その名に聞き覚えがあるかもしれない。けれど、よく見てほしい。彼らは“こちら側”と例え似ていたとしても、“こちら側”を基に生まれた影だったとしても……彼らはたった一人の彼ら自身でしか無しえない物を持っている。ただの作り物などでは、虚像などではない。

 

1作目・星々の導きを反射した、積層世界の最下層。全てが歪み、崩壊と終焉を前にした滅んだ世界の虚像は、果たして何を見せるのだろうか。

オトノミヤ


積層世界の最下層、鏡面世界と同じ層に存在する“音”の集う世界。元々は人間たちと、“音”が共存していた音楽の世界だった場所は、鏡面世界の影響で音楽が失われてしまった。

 

かつて“音”と呼ばれていた、音の概念・オトモドキたちはその数を激減させ、どこもかしこも虫食いの無音ばかり……。そんな世界の中で、生き残ったオトモドキの一人、チェシー・ナチュードは失われた音楽を取り戻すための旅に出る。

 

これは、音をめぐる不思議な冒険記録。彼らは音楽を取り戻すことができるのだろうか? 1作目の魔法・音楽にまつわる音楽の物語。最後に彼らはどんな音を奏でるのだろうか。