6作目・明星の華

作品概要

 何も変わらない平穏な日々。人間と妖怪が手を取り合う幻想は未だ叶わないけれど、どれでも平穏だと笑い合える日々。そんな日々の中にゆっくりと近づく影の色……。それに気がついた時、少女たちは運命に飲み込まれていく。

目次

・作品概要

・あらすじ

・世界観

・相関図

・登場人物

あらすじ

 16歳の見習い魔法使いのホノカは、今日もいつも通り『事務所』の仕事にかられていた。そんなある日、ひょんな出来事から“うさぎ”という通り名の情報屋と出会ってしまう。彼女は一体何者なのか、兎の尾を追いかけるうちに、運命の歯車が狂っていっているとも知らず……。

 

 天界・魔界からの襲撃に耐えながら、着実に真実に近づきつつあった彼らは、妖の最後の一体である悪夢が、力を取り戻していることに気がつく。以前に悪夢と一戦を混じえたことのある『研究所』のメンバーへ協力を仰ぎながら、妖を封じるために翻弄されることに。

世界観


 和洋折衷現代ファンタジー×異能力バトルアクション×多種族抗争。人族、妖怪、魔族、神族、妖の5つの種族が生きており、彼らは理、生命、時、境界という4つの派閥に属している。科学技術よりも魔法技術が発達した世界。隣接する世界として、魔界と天界がある。

 小さないざこざや種族間の対立などはあるものの、現在は基本的に平和な時代。望めばよっぽどのことがない限り、衣食住は手に入れられる。様々な地域や種族の文化が混じり合いながら共存している。

種族

  • 人族
    • 人間
      • 霊力を持つ人型種。特筆すべき項目はほとんど無いが、彼らは世界を変えうる力を持っている。地上にのみ生息。
    • 魔法使い
      • 霊力と魔力を併せ持った人間。その中でも魔力の扱いに長けた者を呼び分けている。その他は人間と同様。
    • 獣人
      • 獣の身体的特徴を持った人型種。僅かな霊力を有しているが、扱える者はほとんどいない。人間よりも武力に長けている。地上にのみ生息。

      • 妖を封じるために生贄に捧げられた人間の死体。妖に内側から食い破られるか、妖が抜けると機能を停止する。
  • 妖怪
    • 妖怪
      • 自然を原理として発生する人型種。妖力のみを持ち、地上にのみ生息。人族を主食としている。寿命は200~600年程度。
    • 妖精
      • 妖怪の中でも特定のグループを形成し、彼らだけで国を作るほどの強固な仲間意識のある妖怪。羽の有無は個体による。寿命は50~150年程度。
    • 精霊
      • 妖精の中でも力の強い個体の呼び分け。自然と強い因果関係を持ち、元となっている自然物や状況が変化すると消滅する。
  • 魔族
    • 悪魔
      • 魔界の大半の人口を占める種族。一部は地上でも生活している。主食は人族であるため、妖怪と食料問題を抱えている。寿命は400~800年程度。
    • 魔女
      • 悪魔の次に多い種族。女性しかいないわけではない。高度で複雑な魔法理論を得意としている。
    • 妖魔
      • 悪魔の亜種や妖怪との混血族などがこれにあたる。竜族や吸血鬼など、さらに特定のグループが存在する。
  • 神族
      • 天界にのみ生息している高慢な人型種。新勢力と旧勢力で二分されており、他世界へ対して敵対的。彼らが世界を生み出したわけではない。
    • 天使
      • 神の遣いとして作られた種族。一様に白い輪と羽を持つ。基本的に他種族へ対して非常に攻撃的。
    • 各派閥に一体ずつ存在する概念体。人間の感情や集合意識から生み出され、世界を侵食する。

派閥

 この世界を構成する要素であり、必ず一人一つの派閥に所属している。自らの希望でこれを変えることはできず、生まれたときにその者の性質として振り分けられる。それぞれの派閥は、お互いに影響し合っているが、同時に排他的でもある複雑な関係性。

 彼らは派閥に縛られる代わりに、所属する派閥からの恩恵を受けることができる。一つの派閥に一人の管理者がいる。

    • 物質の存在や定義を司る派閥。目の前の物質が突然にして消失したりしないのは、この派閥が存在するおかげ。
    • 恩恵:存在消滅からの保護
  • 境界
    • 空間や隔たりを司る派閥。地上と魔界と天界とが混ざり合わないのは、この派閥が存在するおかげ。
    • 恩恵:浸食からの保護
  • 生命
    • 命と死を司る派閥。死者と生者が交わらないのは、この派閥が存在するおかげ。
    • 恩恵:生命から逸脱しない
    • 時空と未来を司る派閥。過去と現在とが混濁しないのは、この派閥が存在するおかげ。
    • 恩恵:時流化変無効

失われた派閥

 現在はその派閥が失われ、所属する者がいなくなった派閥。管理者のいない派閥であり、4つの派閥を繋ぎ合わせる役割を持っていた。

 失われてなお、今もまだ派閥の息吹を持つ者がいるとかいないとか……

    • 想像と希望を司っていた派閥。花の一族が代々受け継いでいたが、妖・悪夢が力を持つにつれて廃ってしまった。
    • 恩恵:悪夢への体制
  • 記憶
    • 意識と心を司っていた派閥。詳細不明

管理者

 器を用いて、妖を抑え込み、各々の派閥を守る者たち。種族の縛りはないが、世界を守るために永遠にも等しい時間を生きなければならない。

 自らの管理している派閥を侵害する者がいないかを監視し、禁呪を扱う者を罰する任も持つ。必要があれば、対象の派閥を変える権限を持つ。


属性

  1. :妖術では植物、魔法では風の属性
  2. :妖術には存在するが、魔法では土属と統合される
  3. :魔法での正属性
  4. :魔法での負属性
  5. :妖術と霊術での正属性
  6. :妖術と霊術での負属性

世界の構成要素

  • 魔法:理論を重んじ、『魔』という観点から世界を解き明かそうとする学問。実戦形式で魔法が使えることのみならず、術式の構築過程も重視される。
  • 妖術:自然に重きを置き、この世界そのものの流れに従って力を行使する。魔法とは対極に位置し、理論やこじつけを嫌い、自然の流れそのままを受け入れることを重視している。
  • 霊撃:人間が魔族や妖怪に対抗するために考え出した力。よく言えば、魔族と妖術の良いとこどり。

一族

  • 月の一族:魔族で構成された、最も栄えている一族
  • 日の一族:神族と関りがあるらしい、神職の一族
  • 花の一族:夢に耐性を持つ人族の一族
  • 色の一族:器に最も適した人族の一族

古来からこの地を守ってきた、伝統ある一族。彼らを称えるために、年に数回、二つの月が満月の一週間、『月花日色祭』が開かれている。


相関図

登場人物


ホノカ

名前:赤石 穂香(あかいし ほのか)

年齢:16歳

能力:糸視(魔力を糸として見る)

種族:人間(魔法使い)

仮名:赤き星